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うみねこのなく頃に 5話「fool's mate」

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EP1の最終話。サブタイトルは「最短手順での詰み」を意味するチェス用語。ゲーム開始からわずか2手目で詰んでしまうらしい。

前回最後の客間の殺人から始まり、「お茶会」「????(裏お茶会)」までしっかり描かれる。作画監督菊池洋子(キャラクターデザイン担当)なので、とてもキャラの作画が整っている回だ。

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客間で一体何が起こったのか説明を迫る戦人たちに対し、真里亞は「知らない」の一点張り。ベアトリーチェから壁を向いて歌っているようにと指示されていたので「何もわからない」とのこと。

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\(^o^)/

鬼気迫る戦人に対して、楽しそうな真里亞。原作テキストだけでも不気味なシーンだが、役者の演技が伴うと彼らの温度差がより顕著に感じられる。

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夏妃がいないことに気付く朱志香。すぐに客間を出ようとするも、燭台が閂のようになっていて開かない。テキストだけではちょっと分かりづらい光景も映像媒体なら一目で理解できるのが強み。

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玄関ホール、肖像画の前で夏妃はベアトリーチェとの決闘に挑む。緊迫感のあるシーンが続き、EP1初見プレイ時のワクワクした感情を思い出す。いや、普通に面白いやんけ。

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体当たりで観音扉をぶち抜いた子供たちの目の前で、決闘に敗れた夏妃が床に倒れる。彼女の眉間には銃創があり、「まさか自分で…(頭を撃ち抜いたのか)」と譲治が呟く。

それにしても客間と玄関ホールが近い! 原作だと屋敷内の位置関係って分からないから、びっくりする。また当該シーンは射殺後の銃のすり替えトリックを疑われていたんだけど、その線の推理はアニメで潰されましたね。殺害と発見がほぼ同時なので。

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譲治は、夏妃を誘い出したと思われる手紙を探すが見つからない。原作BGMである「deadangle」が映像の雰囲気に調和していて、ぐいぐいと物語に引き込まれていく。

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右代宮家、死体の乳に顔を押し付けがち。

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俺は絶対に死なねぇッ!

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戦人は銃を手に取って毅然とした様子で叫ぶも、その手は恐怖で震えていた。そんな戦人を見下すかのように「銃なんて意味ない」と真里亞が笑う。「それにもう、おしまいなんだよ」と彼女が指差す先では、広間の大時計が24時を告げようとしていた。

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24時の鐘と共に、どこからともなく黄金の蝶が現れて肖像画に止まる。それを戦人が見事に撃ち抜いて肖像画に風穴を開けるも、砕かれた蝶の破片は、再び蝶の形を得て羽ばたき始める。

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…やがて屋敷を満たす黄金蝶の群れの中、呆然とする譲治と朱志香。そして全てを見据えたかのように笑みを浮かべる真里亞。

子供たちの前に黄金蝶が姿を見せるのはアニメオリジナルの展開。そもそも24時の時点で時間切れだし、夏妃の銃は**なので、…つまりそういうことだ。

ゲームのルールとして筋は通ってるのでロジックエラーではない。アニメ的に黄金蝶が舞い踊る画面の派手さは映えるし、良改変だと思う。

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こんな…、こんな滅茶苦茶あって堪るもんかッ!!

アニメ新規勢を代弁するかのような戦人の絶叫。BGM「サソリのハラワタ」の盛り上がりに呼応して物語は最高潮を迎える。

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というところで場面は変わり、モブ漁師がメッセージボトルを拾い上げる様子が映し出される。真里亞の声で語られるのは「どうか真相を暴いてください。それだけが私の望みです」という言葉。

原作エンドロールで流れる「Bring The Fate」は感情を揺さぶってくる壮大な曲なので、是非ともアニメで聴きたかったが、やはり尺が…。それは置いといても、ナレーションとかでもう少し説明が欲しかったかな。

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「今日でも六軒島魔女連続殺人事件の真相は暴かれていない」というテロップ演出でAパート終了。

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そしてBパート。紅茶のカップを置いたのは一体…?

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まいったな。わけがわかんない内に終わっちまったぜ

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その声の主は戦人であった。戦人だけでなく真里亞に譲治、朱志香、さらに死んだはずの紗音と嘉音も登場。

ここからは原作のお茶会パートで、いわゆる楽屋オチ的なメタネタを逆手に取った展開なのだが、何も知らないアニメ視聴者は目が点になったことだろう。テレビ放送時も「超展開」っぷりにインターネットを賑わせたりしたものである。

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キャラたちによる楽屋ネタだと思っていたら大間違い。魔女の存在を肯定する一同に対して戦人は「魔女なんているはずない」と全面的に反論して不穏な空気に。

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「一番簡単な方法がある。みんなが言うところの魔女を、"ベアトリーチェさま"をここに連れて来りゃいいじゃねえか」

ドヤ顔で魔女肯定組を煽る戦人。しかし彼には既に負けフラグが立っていた。

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何処からともなく聞こえる笑い声に振り向くと…、お馴染みのBGM「オルガン小曲第6億番ハ短調」と共に魔女ベアトリーチェが姿を見せる。

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しかし戦人は簡単に負けを認めない。目の前に現れた魔女を、信奉者たちの共同幻想だと断定。「魔女と魔法」を否定し「ニンゲンとトリック」で説明してやると宣言。

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ならば聞こう!

真里亞の手紙は? レシートの封印は? チェーンの密室は? 源次たちの客間は? 夏妃の自殺は? そして…この者たちの運命は!?

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ベアトリーチェが煙管を向けると同時に、苦しみ始める紗音と嘉音。「魔法が解けてしまう」と言いながら立ち上がる譲治と朱志香。そして真里亞。彼らの体が戦人の目の前でバラバラ砕けて崩れ落ちる。凄惨な状況に涙を浮かべながら魔女の否定を誓う戦人。

原作BGM「牢獄STRIP」でテンション上がりまくり。めちゃめちゃ熱い展開でどうしたものか。

原作だとチェーン密室の殺人をベアトが魔法で再現してみたり、そのあと子供たちが本編での死に方を再現したりしてから、ベアトの出題ラッシュなんだけど、上手いこと順序を組み替えたりしてテンポよく見せている。いや、これ…いいアニメじゃない?

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そして再び紅茶のカップで場面転換。本編を俯瞰する「お茶会」と、さらにそれを俯瞰する「裏お茶会」の世界。

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手に取って啜るのはベルンカステル。もちろんCVは田村ゆかり。前作「ひぐらし」の視聴者は「梨花ちゃんwww」って草を生やしたりするところだろう。

ちなみにここの台詞、原作だと「梅干し1パック200円」なのだがアニメでは「1個200円」とちょっぴり高級志向になっている。

BGM「黒のリリアナ」は原作だとEP2のエンドロールなどで使用される曲。まさかここで流れるとは…って思ったけど、いい感じにハマってる。

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「私は世界で一番残酷な魔女。どんな相手でも絶対に屈服させる」

紅茶に写り込むベルンカステルが、第四の壁を超えて視聴者に語りかける。口パクはしてても表情は見えず。一体どんな冷ややかな瞳をしながら話しているのか、得体の知れなさを感じさせる演出がいい。

そしていつものエンディング。うーん、裏お茶会はCパートに回しても良かった気がするが。そもそも原作の各エピソードが「本編」「お茶会」「裏お茶会」の三部構成になってる時点で30分尺のアニメ向きではないんよね。

 

……ということで、アニメEP1終了。

完走した感想ですが、「みんなが想像してるより全然面白いぞ」と言いたい。

まあ原作組として見れば尺の都合でカットされた場面も多いし、色々不満点はあるんだけど、それでも決して出来の悪いアニメではない。むしろ誠実に作られてる印象を受けた。…少なくともEP1は