うみねこのなく頃に 6話「middle game」
アニメもEP2に突入。今回は紗音・嘉音の過去話がメイン。「middle game」とは「中盤」のこと。
「そこが、完成された世界だと信じられるなら。立派な一つの世界なんです」
紗音と譲治は水族館デート中。水槽の魚たちにとっては、水槽の中こそが世界そのものであり、彼らにとっての海である…と持論を展開する紗音。
「紗代。…紗音っていうのは使用人としての呼び方だろう? 僕は君を本当の名前で呼びたいんだ」
譲治の提案により、彼らの関係は「"紗音"と"譲治さま"」から「"紗代"と"譲治さん"」となる。不意に「紗代」とか呼ばれるとドキッとするな。色んな意味で。
尺的な都合もあり、原作のやり取りをテンポよくなるよう上手く改変している。譲治のキザっぷりが抑えられててこっちのがいいな。
場面は変わり、岩礁の鳥居。6話のシナリオは時系列が行ったり来たりするので、ちゃんと時期が表示されるのは分かりやすくていい。…というか、この「各イベントの具体的な時期」はアニメでしか分からないんですよね。
祠から霊験あらたかそうな鏡を持ち出して地面に叩きつける紗音。そういや夏妃の霊鏡のくだりってEP1ではカットされてたよね。
OP映像かな? 砕かれた鏡。3つの破片それぞれに彼女の姿が写り込む。ここの演出今さら気付いたんですが、めっちゃゾクッとした。
そして今度は1984年の10月。先ほどの場面より1年少し前の話。
紗音が配膳中のミスを咎められているところ、咄嗟に譲治が紅茶の蘊蓄で話題を変える。そして紗音を見てパチリとウインク☆ なんか腹立つな。
紗音が譲治を気になっていると察知した朱志香はこの表情。今回デフォルメ顔が多め。
先ほどの助け舟に感謝する紗音だったが、譲治はなんのことかなとすっとぼけて見せる。江戸川コナンみたいな表情しやがって。
「低学歴で無能で無教養な使用人風情が出る幕じゃないの」
紗音を牽制する絵羽。いや牽制というか、完全に潰しにかかってる。ただアニメだとストレートに罵倒してる分ダメージは低い。原作の絵羽はもっとネチっこく十分に搦め手で痛めつけてからトドメの一撃を食らわせる毒吐きおばさんなのだ。
肖像画の前で心情を吐露する紗音の前に、魔女ベアトリーチェが姿を現す。BGM「金色の嘲笑」もあり雰囲気マシマシ。紗音がくるくる周囲を見渡すところのカメラワークが好き。
霊鏡を割るように唆すベアト。しかし魔女の囁きに耳を傾けてはなるまいと紗音は誘いを断る。そこに「紗音をいじめるな!」と嘉音が割って入る。
ここ、原作だとベアトが絵羽の罵倒を真似して紗音を威圧してる場面なんだけど、アニメだとそのへんカットしてるので、嘉音の台詞に違和感。
ベアトが指を鳴らすと紗音の腕が操り人形のように勝手に動く。操り人形というか、ロボットというか。なんか間抜けな動きなので是非見て欲しい。おもしろいので。
魔女は土産にと、黄金蝶のブローチを託す。このブローチは恋愛成就のマジックアイテム。ただし霊鏡を割らない限りは効力が発揮しないとのこと。
原作では霊鏡を割らなきゃブローチが手に入らなかったはずだけど、それだと分かりにくいか。…というより、現物を先に渡しておいた方が、紗音を「その気」にさせられるという点ではアニメ版のやり方の方がベターかもね。
ちなみに原作ベアトは紗音と嘉音に蝶の痣を残して帰るだけなのだが、実はポートピア連続殺人事件ネタの伏線だったりなかったり。
再び時間は進んで、1986年8月。事件の2ヵ月前ですね。
紗音と譲治の沖縄旅行を羨ましがる朱志香。6話冒頭で描かれたデートのことなんだけど、いまいち沖縄要素が少ないので分かりにくい気がする。映ってたの水族館とレストランだけだし。
「お嬢さまはそのままで十分に素敵です」
自分に彼氏がいないことで気弱になる朱志香を紗音が慰める。百合アニメだ! 原作BGM「moon」が印象的。
沖縄土産を食べるベアト。
「曇っていても、私には海は美しく真っ青に思えます」
そう主張する紗音に対し、それこそが家具からニンゲンになった証だとベアトは告げる。愛がなければ視えない。
…ところで、ここの場面。どうやら岩礁はまだ無事っぽい。直後に描かれる文化祭との時系列がいまいち曖昧なのよな~。
愛を知らない嘉音に対し、恋愛成就のブローチを託す紗音。
月の光に照らされる紗音が美しい。
ということで嘉音がやって来たのは朱志香の文化祭。海猫高等学校って…安直すぎない?
「ショタ」だの「調教済み」だのと囃し立てる友人たちをボコる朱志香。慣れた手つきでメリケンサックを嵌める動作がなんかエロく見える。
どっきゅん! どっきゅん!
朱志香キャラソンのターン。文化祭で電波ソングなのはアレだけど、つるぺったん歌うよりは遥かにマトモだな…。
「なんだこれは…バカみたいじゃないか…」
と冷めた目で見ていた嘉音だったが、ライブ中の朱志香の雰囲気が、普段屋敷にいるときとはまるで違うということに気付く。
「右代宮家のお嬢様をやらなければならない自分とは別に、自分の好きなことに精一杯な…もう一人の自分を作った」
人格の多重化であり、キャラクターの演じ分け。うみねこで語られるテーマの一つ。真里亞の、一見すると二重人格のような性格もこれなんですよね。
「ニンゲンと家具は恋愛などできません」
朱志香の恋心を知った上で、きっぱり拒絶する嘉音。…まあこれ結局、自分自身への批判というか、なんというか、あ~って感じだよ。なあ?
「恋に狂え。黄金に狂え。そのどちらにも狂わぬ者など人間にあらず!」
ベアトリーチェのモノローグで〆てエンディングに突入。BGM「サソリのハラワタ」は原作でもここで流れる。
6話は日常回というか、恋愛話を主軸に展開してるので派手さはないけど面白くまとまってましたね。