うみねこのなく頃に 7話「early queen move」
EP2の2話目。「early queen move」とは「序盤からクイーン駒が動く指し手」のこと。いやはや今回の話にピッタリのサブタイじゃん。
「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞー!」
親族会議へと向かう途中。ハロウィンがしたいと電車内で駄々をこねる真里亞。隣席の老婆がキャンディをくれるも、母親に取り上げられて、うーうー泣き叫ぶ。
で、ビンタ。それも一発じゃなくて往復ビンタ。小清水亜美の演技がうますぎてヒステリー感がやばい。原作でも読むのが(心情的に)辛いシーンだし、フルボイスのPS3版はキツかったな~。
楼座が我に返ったときには、ご覧の有様。しかし真里亞の手提げ、荷物棚に上げんでもええやろと思ったけど、たぶん手元に置いてたら真里亞がごそごそ取り出しちゃうんだろうな。
一方、六軒島の屋敷では蔵臼と夏妃、そして使用人たちが着々と親族を迎える準備を進めていた。それにしても俯瞰アングル多いな。
ここの使用人室のシーン、全体的に動作が細かくてなんか好き。立ち上がる源次が椅子の位置を戻したり、紗音がシーツをいそいそと畳んだり。地味ながらもキャラが自然に動いてる。逆に自然すぎて地味なのか。
「緊張するとカタくなる…上手いこと出ねえんだよな」
トイレの鏡でプロポーズの練習をする譲治。そこに個室から颯爽と留弗夫が登場。用を足しただけなのに何でカッコつけてんだこいつ。
該当の台詞はアニメオリジナルなんだけど、結構うまい言い回し。親族会議に向けて緊張してるのは留弗夫も同じだしね(何が固くなってるとは言わない)。
空港の売店でハロウィンのマシュマロキャンディーを買って貰った真里亞。原作だと途中下車してたけど、そのへんはギュッと詰め込んでいく。尺の都合もあるし、場所がコロコロ変わっても分かりづらいし。
熊沢の語る悪食島伝説。本来、EP1序盤に軽く触れられていたんだけど、そのあたりの展開を飛ばしまくってたせいで、急に怪しげな話が湧いてきた感じに。
六軒島に到着し、郷田の案内でゲストハウスに向かう親族一同だったが、そのとき世界が色彩を失って静止する。そこに姿を現したのはベアトリーチェ。
「お前がどんな手で来ようが、俺はお前を認めない。その一点を貫き通す限り、俺に負けはない!」
そしてEP1お茶会から引き続きメタ戦人も登場。このメタ世界の表現は悪くないんじゃない? ただ、アニメのみの視聴者には「なんで戦人が二人いるの?」と頭に疑問符が浮かびそう。まあ、うみねこってこういう作品だからね。受け容れてくれ。
戦人がハロウィンの話に付き合ってたので、得意げに魔女の話を始める真里亞。しかし楼座の堪忍袋の緒が切れる。9歳にもなって魔女の話をしてる娘が気に食わないらしいが、こちとら成人してても仮面ライダーの変身ポーズとか一人でやってますよ。どうだ参ったか!
真里亞を慰めようとする嘉音。真里亞は「平気だよ」と不敵に笑って見せるが、明らかに無理をしている。こういうところを見ると、真里亞の精神年齢は相応か、むしろ大人なんじゃないかと思いますね。
一方、大人たちは客間で仲良く話し合いを始めていた。それにしてもこの留弗夫のカットはEP1でも見たような。
天候が悪くなっていることに気付いた楼座は急に客間を飛び出し駆けていく。そして薔薇庭園で一人佇んでいた真里亞を抱きしめた。彼女は、楼座が去り際に言い放った「ずっとそこにいなさい」を愚直に守っていたのだ。
「ママ、お帰り。真里亞、ママが帰ってくるの、ずっと待ってた」
真里亞は、楼座が悪い魔女に乗っ取られたと信じ込み、そして「優しい母親の人格が帰ってくる」のを待っていた。しかしその真意が母親に伝わったかは怪しい。恐らく楼座は「自分が薔薇庭園に帰ってくる」のを待っていたのだと捉えただろう。
「あ! ベアトリーチェ!」
楼座が振り返ると、そこには肖像画の魔女ベアトリーチェが"い"た。
ベアトリーチェは、ぺしゃんこに潰されたお菓子を無限の魔法で元通りにしてみせる。その光景を目の当たりにして驚愕する楼座。そんな彼女に魔女は会議で読み上げるようにと手紙を押し付けて屋敷へと去っていく。
しかし改めて見るとベアトのスカートが短くてびっくり。
屋敷で源次の出迎えを受けたベアトは、玄関で霧江とすれ違う。このアングル多いな!
で、メタ世界。ただメタ論議にあんまり尺は割かれてないので、ベアトが屋敷を闊歩することに対する戦人のリアクションは薄め。
「うみねこ」って劇中の超展開に対してメタ戦人目線でツッコミを入れることでバランスを保ってるところはある気がする。だから魔法バトルをメタ世界でスルーしたEP2は色々言われてたし、EP3の評価が高いのはそのへんの塩梅が上手くいったからじゃないかと思う。
ベアトリーチェの貴賓室にお茶の配膳に訪れた嘉音。この構図いいね。
紗音を生贄にして欲しくないならば、跪いて靴に接吻をせよと迫るベアト。原作だと嘉音の心情がト書きで散々語られるのだが、どうしてもアニメだとこの辺の葛藤が薄く見えちゃうな。
このアングル多いな!
ベアトリーチェの真意を知った紗音は夕食の配膳に訪れるも、「あなたを面白がらせたりしない」と淡白に言い放つ。配膳されたナイフに映るのは、退室する紗音を見やりながらも不敵な笑みを浮かべるベアトの表情。
やっぱ家具の葛藤があっさりしすぎて、前回から急に塩対応になったように見えるな。
郷田のディナー、仔牛のステーキ!
しかし「客人は同席しないのか」という霧江の質問から、晩餐の席は謎の来客ベアトリーチェの話題で持ち切りに。
赤ワインに反射する蔵臼と留弗夫。…こう、会話してるキャラを何かに反射させる演出も結構多くない? なお蔵臼についてはそのうちワインそのものになるが…。
「当主さまに愛人などという汚らわしいものはおりません!」
安定の夏妃。
ってなわけでロクにメインディッシュも食べられないまま、子供たちは食堂を追い出されることに。こういう「せっかく用意された食事が無駄になる描写」って見てるとなんかすごい辛くなる。
「……魂になっても、ずっと、ずっと一緒です」
時間は経過し、EP1と同じくプロポーズの場面。前回と違うのは紗音がその場で指輪を嵌めるという点。原作初見時はめちゃめちゃ感動した記憶がある。
この時点で紗音の永遠は完成された。家具に未来がないなら、ここで世界を、人生を完成させるしかない。
その様子を遠巻きに眺める嘉音。彼の人生は完成されていない。だから未来が惜しい。まだ生への未練がある。
場面変わって礼拝堂。入り口脇にはライオンの像。
礼拝堂に集まった親兄弟たちは口々に魔女の存在を認める旨の発言をする。BGMは「サソリのハラワタ」なんだけど、アニメでも使い勝手がいいのか、よく耳にする気がする。ちなみに原作だと当該シーンで流れるのは「旋律~シラベ~」です。
そしてベアトリーチェの高笑いでエンディングへ。
7話の内容としては島へ向かう親族たちの様子から1日目終了まで。そんなに悪くはない気もするけど、短い尺に詰め込んでるせいで淡々とシナリオを消化してるな~感も否めない。
というか僕の場合は重度のうみねこ読者なんで、かなりの部分を記憶で補完できたりするわけで。これ新規視聴者にはどうなんだろうな??