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うみねこのなく頃に 3話「dubious move」

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おのれぇええええぇえぇッ!!!

第3話タイトル「dubious move」はチェス用語で「疑問手」を意味する。「え? ホントにその手でいいんですか?」って感じのやつ。

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「ああ、あるでダイヤの指輪や」

前回に引き続き、庭園倉庫の死体発見の場面。入口からは見えない物陰には紗音の死体が横たわる。譲治に頼まれて紗音が指輪をしているか確認する秀吉。

BGMはアニメオリジナルのもの。原作BGM「Worldend」は名曲だし流してほしいところだが、尺的な都合でチグハグになっちゃいそうなのでこれでいい。

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客間に戻ってきた一同のところに熊沢が駆けてくる。配膳に訪れた食堂に血だまりがあるとのこと。熊沢の走る描写、妙にスピード感があって楽しい。

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庭園倉庫の魔法陣についての議論の最中、話題を振られた真里亞が豹変し、魔法陣をすらすらとノートに書いていく驚愕の場面…のはずだが、前回の手紙読み上げの段階で軽く顔芸を披露してるのであまりインパクトはない。BGMをゆったりしたのが延々と流れてるしね。

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魔法陣を書き込んでいく描写が「デスノート」っぽい。アニメ「デスノート」を見た記憶はないんだけど、それっぽく見える。

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書斎から姿を消した金蔵を捜索するため一同は屋敷を回る。その途中、使用人室で戦人は園芸倉庫の鍵について言及する。

実はこれ、原作にはないシーン。原作では子供たちが事件現場の倉庫を立ち去った後、秀吉が言及していたのだが、アニメでは実際に使用人室の様子を見せた上で戦人に推理を述べさせている。映像的に分かりやすいアレンジなのがグッド。

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引き続き捜索中の一同。玄関ホール階段で戦人と絵羽は推理議論を始める。原作では彼らは客間を離れていないので、退屈な画面になりそうなところを、金蔵捜索という名目で場面転換を試みている。

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結局、金蔵は見つからなかった。厨房で朝食の片づけをする熊沢と、それに付き添う源次、嘉音。蛇口の水を止める描写がやけに細かいのが注目ポイント。なんかこだわりがあるのだろうか。

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「まだ気付かない? ベアトリーチェが"い"るのを」

魔女の存在を疑う戦人に対し、「ベアトリーチェは"い"る」と主張する真里亞と使用人たち。原作BGM「 旋律~シラベ~ 」は本来この場面では流れないのだが、これがなかなかハマってる。

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「……そもそもお父様って、いついなくなったのかしら?」

絵羽が話を切り出すこのカット、漫画EP1(作画:夏海ケイ)の該当シーンにそっくりなんだけど、リスペクトなのかな?

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夏妃による金蔵殺害の様子(絵羽の推理)。映像媒体だとこういうシーンを分かりやすく描写できるのがいいよね。そして絵羽の暴論に対して激昂する夏妃。演技は凄味があるけどBGMがないせいで勢いに欠けるかな…。

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というところで、戦人のターン。絵羽の推理に対して、隠れていた金蔵が自ら書斎を抜け出した説を構築。そこに流れるのは原作BGM「Core」。EP1といえばこの曲のイメージが強い。

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戦人の推理に同調して絵羽を責め立てる朱志香。喘息描写はカットだが、確か次回以降の別の場面でゲホゲホやるはず。

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客室に戻った絵羽と秀吉を屋敷の外から見つめる構図が面白い。室内が明るいのでイチャついてる様子も丸見えだ!

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夕食を報せに訪れた源次と嘉音だが、客室に気配はなく、扉の下にはベアトリーチェからの手紙が差し込まれていた。事件を予感して源次はマスターキーで開錠するもチェーンロックが! 緊迫感あっていいぞー。

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番線カッターでチェーンを切断した嘉音と熊沢の前に絵羽の死体が横たわる。そしてバスルームには秀吉の死体。「goldenslaughterer」が盛り上がったところでエンディング。次回への引きとしてはなかなか。

第3話、前回ほどではないけど楽しめた感じ。アニメ向けにシナリオをアレンジしてくるのはいいですね。

うみねこのなく頃に 2話「first move」

2019年に「うみねこ」アニメの新記事が読めるのはこのブログだけ!(たぶん!)

 

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アニメのサブタイトルは全てチェス用語になっているというこだわり。

今回の「first move」は文字通り「最初の一手」。犯人側の初手ということで、手紙の犯行予告、そして第一の殺人までが第2話で描かれる。

EP1の盛り上がりポイントであるためか、第1話にも増して気合の入った回であると思われる。アニメ第2話、はっきり言って結構面白い。

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夕食の席で話題に上がる「真里亞に傘を渡したのは誰?」という疑問。その後、真里亞は魔女から貰ったとされる手紙を読み上げていく。いかにもミステリーな展開だ。

原作BGM「胡散の香り」は残念ながらここでは流れない。

さすがに手紙の内容を省略は出来ないためか、読み上げシーンにはかなり尺が取られている。画像のカットでは、手前でぼやけた蝋燭の炎がゆらゆら揺れていたりして描写が細かい。

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ベアトリーチェなんて人物が、本当にいると思う?」

客室で議論する戦人と霧江。窓ガラスに反射した顔で会話させるという演出が楽しい。実体のないベアトリーチェを暗示しているかのようだ。

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「俺はたぶん…今夜、殺されるだろうな」

留弗夫の言葉に合わせて雷鳴が轟く。ベタながらも不穏な雰囲気マシマシでテンションが上がってくる。

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一方その頃、蔵臼は夏妃を秘密の部屋へ案内し、隠し黄金の一部と思われるインゴットを見せる。先ほどの戦人と霧江から雷のカットを繋いだ場面転換。なんかいい感じ。

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いとこ組をゲストハウスに案内した紗音。使用人室には屋敷当番のはずの源次と嘉音がいた。急なシフト変更に戸惑いながらも、トランプに誘われてたことを嘉音に告げる。

「…あー、えっと、お子様方がお部屋で遊ばないかって…」

ここの台詞、紗音が話題を切り出すときの躊躇と間が自然でとても好き。

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譲治からプロポーズを受けた紗音は火照った頭を冷やすべく屋敷の見回り当番へ。真っ暗な廊下に気配を感じて振り向くも、誰もいない。…立ち去る彼女の背後に黄金の蝶がひらりと舞う。

ここから原作BGM「サソリのハラワタ」に合わせて各キャラの動向が描写されるのだが、不気味かつ荘厳な曲がめちゃめちゃハマる。

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そして時計の針が重なり、曲は途切れ、鳴り響く24時の鐘をバックにベアトリーチェ肖像画がドーン。ぶっちゃけ、この一連の流れについては原作を超えていると思う。

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翌朝、厨房に郷田が不在であるため確認しようとする嘉音だが、落雷の影響か内線電話が故障していた。電話機を弄る動作が自然なのと、やけに嘉音が美少年なのでお気に入りのシーンである。

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どうやら蔵臼たちも行方不明らしいため夏妃は金蔵の書斎へと確認に向かう。

親族の所在は判明しなかったものの、金蔵から励ましの言葉を得てホクホクしながら退室する夏妃を、扉の前で待機していた絵羽が迎えた。そこに源次が駆けてきて「庭園倉庫の様子がおかしい」と告げる。

原作では客間に戻った夏妃に嘉音が報告していたはずだが、アニメでは源次が書斎前までやって来た。まあ短い尺の中で場所が行ったり来たりするよりは、キャラが行ったり来たりする方がいいだろう。

薔薇庭園へと赴く二人には付いて行かず、絵羽はちらりと何かを気にする。今後の展開の伏線だが、細かい。

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庭園倉庫に描かれる不気味な魔法陣に驚愕する一同。後からやってきた絵羽はしれっと会話に参加する。原作と違って、色々やるための時間が足りなかったので遅れたに違いない。

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「……何の冗談だってんだよ、こりゃあよぉ…ッ?!」

第1のゲーム、第一の晩。朱志香の絹を裂くような悲鳴がマジで「あ、絹を裂いてる!」って感じ。

死体の描写も抜かりなく。グロ表現は視聴者を釣るためのアピールポイントである。こういうの「マジグロいからwwww」ってな感じで中高生は視聴したりするんだなあ。ただ、テレビ放送版だとモザイクはないものの黒いボカシがあった記憶がある。

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「うおっ、顔が…ぐちゃぐちゃに潰されとる…」

アクマヤ! アクマノシワザヤー!

秀吉が棒読みすぎるということで話題になったこのシーン。死体の凄惨な状況をわざわざアピールするかのような台詞の不自然さが目立つ。

…というのも原作では戦人のモノローグで死体の損壊状況が語られてたところを、その役割を秀吉に押し付けた結果こういうことになったのだろう。

ただ、この秀吉。不自然ではあるんだけど、実は不自然ではない。EP1での彼のポジションを考えると……。

倉庫内の犠牲者、蔵臼、留弗夫、霧江、楼座、郷田、そしてもう一人……というところで次回に続く。

うみねこのなく頃に 1話「opening」

2009年に放送されたアニメ「うみねこのなく頃に」。

前作「ひぐらし」シリーズのヒットを受けて、鳴り物入りでアニメ化されたのだが、結果としてはあまり芳しい成績は残せなかった。

念のため補足しておくが、当時の「うみねこ」は人気絶頂であり、ちょうどアニメが始まるのは「散」シリーズの一発目であるEP5が頒布される頃で、非常に注目を浴びているメジャーコンテンツだったのだ。

にもかかわらず、売れなかった。少なくとも10周年を迎える2019年現在でもアニメ二期の企画は発表されていない。

その理由は何故か? 簡潔に言えば、つまらないのである。確かに原作の内容を踏まえて、推理要素の伏線もきちんと盛り込んだ誠実な作品ではあると思うのだが、残念ながらつまらないのである。

 

というわけで前置きが長くなったが、今更ながらうみねこアニメを見返して感想を呟いていこうと思う。

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原作と同じく、金蔵の書斎から物語が始まる。

「で? 私はあと、どのくらい持つ?」「三ヵ月、ほどかと…」

金蔵が余命僅かであることを視聴者に伝えるシーンだが、アニメだと非常にストレートな台詞の応酬だ。一方で原作の南條は「長くはありませんな」と答えてからチェスの盤面で余命の短さを喩えだす。

結局のところ原作がサウンドノベル媒体であり、尺のことなど気にせず回りくどい表現を多用している(それによって独特の雰囲気を形成している部分がある)のに対し、アニメでは非常に限られた尺の中でシナリオを消化しなければならないという弱点があり、それが「つまらなさ」の一因になっているのである。

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そして開始5分たらずで島に到着。ちなみに原作で普通に読み進めると、島に到着するまでに30分以上はかかるので、それだけでアニメ1話分の尺が潰れてしまう。

その後もテンポよく戦人がモノローグで親族紹介を済ませる。留弗夫や朱志香なんて難読名にツッコミを入れている暇はないのだ。どうせ次の話には6人死んでるんだから全員の顔と名前を覚えてもらっても仕方ないのだ。

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昼食のためにいとこ組が屋敷へ移動するシーン。引きの画だが、紗音がきちんと扉を閉めるという演技が細かい。こういった日常部分の演出はやや古臭い気もするが丁寧な印象がある。

その後の昼食シーンも親族が食堂に揃うためキャラ紹介の絶好のチャンスなのだが、台詞のやり取りなどは省略。戦人は右代宮家の再興エピソードを語るのに忙しいのである。

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「さてと、親父の財産について話し合おうじゃないか」

あまりにも露骨な話の切り出し方である。

大人たちのキナ臭い会議シーンも、話の要点を抑えてはいるのだが、細かい説明や描写が省かれているので「なんかギスギスしてんなあ」という雰囲気しか伝わらない。逆に言えばそれさえ伝わればいいということなのだろうが…。

少なくともここで絵羽や留弗夫が言及する「ホテル」とやらが、親族が宿泊するゲストハウス「渡来庵」であることなどは新規視聴者には把握できないと思う。

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なんで譲治正座してんの?

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庭園で真里亞の薔薇を探す一同。強風によって髪がなびいてる作画がよく、楼座を見つけたときの真里亞の仕草が非常に可愛らしい。この薔薇探し~ビンタ炸裂あたりのシーンは1話の中でも特に力が入ってるように思う。

1話の内容としては真里亞が「ベアトリーチェに傘を貸してもらった」と宣言するところで終了。

アニメ「ひぐらし」が各章冒頭にキャッチーな残虐シーンを配置して視聴者の興味を惹いたことを思えば、やや派手さに欠けるかなといった印象を受ける。ただ原作ゲームもEpisode1の時点では展開が地味だなどと言われていたので、仕方あるまい。

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一人で庭園に残る真里亞の背後に謎の人物……。とはいえ完全な黒シルエットではなく、よく見ればモロにベアトリーチェである。